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2007年6月号

連載第35回

自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻


 「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」とどこかの作家が書いてるらしい。「観光から革命へ!」ということを僕も考え、ある封印されたテクストに書いてみたりもした。昨夜はほとんど眠れなかった。睡眠不足の頭で原稿を書く。

 4月28日から5月3日にかけて怒濤のようにデモがつづいた。中でも個人的に思い入れが強く、圧巻だったのは、「自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻」である。03年から04年にかけて渋谷のストリート・レイヴ=サウンド・デモを企画したASC(Against Street Control)亡き後、僕が一番好きな枠での街頭行動である。4年前、当時まだ準備段階だったフリーター全般労組の呼びかけで「5・1新宿フリーターメーデー」として始まったとき、参加人数はまだ50名ほどだった。2回目からは実行委形式で名称も「自由と生存のメーデー」に改められ、参加人数は年を追うごとに増えつづけ、主催者発表で今年は420名。
 この日は「全都野宿労働者 4.30 メーデー」の街頭行動から始まった。正午過ぎ、200名を超す野宿者たちが柏木公園を出発し、「仕事つくれ、屋根をよこせ」「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声とともに東京都庁をかすめつつ新宿中央公園まで力強く歩き通した。
 午後からの「自由と生存のメーデー07」は「【反攻1】メーデー宣言集会」 → 「【反攻2】歌舞伎町周回!サウンド+?デモ」 → 「【反攻3】プレカリアート交流集会」という三部構成の長丁場で展開された。
 野宿者メーデーから急いで会場の大久保区民センターに戻ると、すでに【反攻1】は終盤にさしかかり、【反攻2】のデモ出発時刻が迫っていた。この枠(僕は「ゆらゆら系」と呼んだりしてるが)でのデモは本当に楽しい。労働組合等の動員されたデモとはまったく違い、参加者は、皆、個人の自由意志で参加している。コステュームにもプラカードにも横断幕にも旗にも幟にもシュプレヒコールにもそれぞれに創意工夫があり(この日、僕が一番気に入ったのが「猫 vs.犬」の旗)、一騎当千とはいかないまでも、何より一人一人の参加者に力と意志が漲っている。かつてのASCのサウンド・デモに典型的だったのだが、この種のデモの特徴は沿道からの飛び込み参加である。踊る阿呆に見る阿呆、というわけだ。警察はデモの開放性・誘引性・大衆性を怖れている。「危ないですからデモに入らないように」などとクルクルパーなアナウンスを大音量で始める始末だ。野宿者メーデーから数十名の野宿者たちが合流してくれたこともこの日のデモにさらに多様性を加えた。
 反攻はまだまだつづく。








2007年4月30日(月)
全都野宿労働者 4.30 メーデー

2007年4月30日(月)
自由と生存のメーデー07──プレカリアートの反攻

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