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ムキンポの鼻☆スペリオール

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2006年9月号

連載第26回

Yasukunix 2006


 前号で予告したとおり、今年のヤスクニは例年になくたいへんなことになった。小泉純一郎が首相就任6年目にしてついに8月15日に靖国神社へと参拝した一方、台湾+韓国+沖縄+日本の共同行動である「平和の灯を!ヤスクニの闇へ キャンドル行動」も5日間にわたる全日程を大過なくやり通すことができた。キャンドル行動を含む11日から16日までつづいた反ヤスクニ直接行動のほとんどすべてに僕は参加したが、睡眠不足に陥りつつも、心地よく充実した熱い夏の日々を過ごすことができた。


 チワス・アリ=高金素梅の名は、昨年6月、朝日新聞のヤスクニ関連記事で目にして以来、記憶の底にあったが、この7月、下北沢の映画館で『出草之歌』を観て以来、彼女と「飛魚雲豹音楽工団」のファンとなった。8月13日、日本教育会館での集会で初めて生身の彼女を見、「飛魚雲豹音楽工団」の歌声を聴くことができた。彼女の黒いTシャツには「還我祖霊」と書いてある。「返せ!我が祖霊」という意味で、デモのときにいつも唱和している。「huan wo zu ling」と発音するようである。


 8月15日、午前7時40分過ぎ、小泉が靖国神社に参拝する様子をTVニューズで確認して、僕は家を出た。写真は、靖国神社前での早朝5時から1時間の座り込みを終え(この行動は事前に公表されず、僕は参加できなかった)、坂本町公園での抗議行動に合流したばかりの台湾人グループの様子である。このあとすぐに銀座デモへと出発した。


 午前11時、JR市ヶ谷駅頭に「靖国解体」の黒い横断幕を掲げた数十人の若者たちが現れた。警察に阻止され、右翼に襲撃され、ときに血みどろになりながらも、正午の「黙祷」を粉砕すべく、毎年、靖国神社へと肉薄する。
 このときは気づかず、あとで写真を眺めてて思ったのだが、「国」の字から「王」が抜けてるのは、「王制否定」ってことなのだろうか? なんで「、」だけあるのかな。大陸中国の簡体字とは違うようだが、ゲバ字ではこう書くのだろうか。


 正午過ぎから平和遺族会の平和行進に参加、1時過ぎからロフト席亭・平野悠氏と神社境内をそぞろ散策、その後、反天連系の集会&デモに合流した。
 写真は専大前交差点に差し掛かったところの反天連デモだが、今年の反天連デモは荒れに荒れた。右翼がこれだけ張り切ったのを見るのは初めての経験である。デモの隊列に右翼の跳ね返りが跳び込んでくるということは毎年あったが、それが単発でなく、同時多発的なのである。左・右・警察入り乱れ、ひっちゃかめっちゃかの混乱状況となった。
 8月15日が過ぎると、毎年、ちょっと寂しくなる。いずれ8月が終わり、秋に向かうのだなあ。



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